自宅を購入ときの住宅減税(ローン控除)はよく知られていますが、リフォームにもお得に減税できる方法があります。
今回は、リフォームで利用できる減税について書いていきます。
この記事を読めば、さらにお得にリフォームすることができます。
これからリフォームを考えている人は、ぜひこの記事を参考にして下さい。
リフォーム減税とは?
具体的にリフォーム減税となる税金は、所得税・固定資産税・贈与税の3種類です。
その中でも、特に減税額が大きのが所得税。
所得税はなんと、最大400万円の税金が控除されることも。
リフォーム減税で、抑えておきたいポイントが3つあります。
- 減税になるリフォーム
- 減税対象となるリフォーム
- 減税になる税金の書類
3項目すべてが、リフォームする際の非常に重要な情報となりますので、続きをご覧ください。
リフォーム減税はローンを組む・組まないで減税額が変わる
最初にリフォーム減税でポイントになるのが、リフォーム代金の支払い方です。
代金支払いの方法としては、一括払いと分割払いで減税対象が変わります。
- 一括支払い⇒投資型
- 分割払い⇒ローン型
⑴ 投資型のリフォームは1回で大きな控除が受けられる
投資型減税は、リフォームで支払った工事代金に応じて所得税などが控除される方法です。
投資型の魅力としては、一度に多くの税金控除が適用できること。
なんと、1度に所得税から最大35万円の控除を受けることができます。
合計の減税額ではローン型には劣りますが、金利分だけローン型よりも支出を抑えることができます。
トータルで考えますと、投資型の減税を選択した方がお得になるケースが多いです。
⑵ ローン型は最大5年間毎年減税を受けられる
大規模なリフォームでは、数百万円から1000万円単位でリフォーム代がかかるケースもあります。
100万円、200万円なら一括で支払うこともできますが、1000万円だと結構厳しいですよね。
普段の生活に支障がない範囲でリフォームを行う場合には、ローンを組んで毎月一定金額の支出で抑えるのが賢い方法です。
国もローンでのリフォームに配慮しています。
1年間での最大減税額は12.5万円と投資型のリフォーム減税には劣ります。しかし、ローン型は最大で5年間毎年減税を受けることができるのです。
12.5万円×5年間=62.5万円
つまり、投資型よりも最大27.5万円減税できることに!
注意点としては、ローン型はローンを組むことが前提となるので、いろんな銀行でローンkんりを比較することをオススメします。
所得税・固定資産税・贈与税の税金がリフォームで減税対象となる
減税される税金の種類は、リフォームする工事内容によって変わってきます。
- 所得税
- 固定資産税
- 贈与税
特に重要なのが所得税で、リフォーム減税のほとんどは所得税から減税される制度となっています。
⑴ リフォーム減税の基本は所得税の控除
所得税は、給料や不動産収入、株式売買によって発生した収入に対して支払う税金です。
会社員の方の場合には源泉徴収票の源泉徴収金額をご覧いただくと1年間で自分がいくら所得税を納めているかが確認できます。
リフォーム減税は、その自分が納めた所得税の税金が減額になる制度です。
会社員や公務員の場合には事前に所得税を納めている状態なので、確定申告をすることによって、所得税が還付される仕組みとなっています。
⑵ リフォームすると自宅の価値が上がるので固定資産税の高くなる
固定資産税は、自宅を所有していることに対して発生する税金です。
固定資産税は市区町村が自宅の価値を算出して納める税金を計算するのですが、建物は建築年数が新しいほど価値が高いです。
大規模なリフォームを行うと建物がキレイになり、建物自体の価値が上がります。
すると、大規模なリフォームになった場合には固定資産税が上がる可能性があるのです。
(内壁工事やトイレの修繕程度なら固定資産税はあがりません)
固定資産税が高くなるなら、リフォームしたいと思いませんよね。
そのためにリフォーム減税の措置があり、固定資産税も減税対象となっています。
⑶ 自宅を増改築する際の資金援助は贈与税が掛からない
贈与税は、タダでお金などをもらうと支払う必要がある税金です。
年間110万円まではお金をもらっても贈与税を支払う必要はありません。
リフォーム代金で500万、1000万円と両親からもらった場合には、贈与税の申告と納税をしなければなりません。
しかし、増改築工事などの大規模なリフォームの場合には、資金援助をしてもらっても贈与税がかからない制度があります。
贈与税には、『住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置』という特別な制度があり、資金援助をしてもらう側が20歳上で資金援助をする側の人が両親や祖父母の場合には、最大1310万円までは贈与税が無税となります。
更に、消費税が10%に増税実施された場合には、控除額が最大3110万円に!
税務署に申請を行うなどの条件はありますが、一般的なご家庭であれば特例適用できる可能性が高い制度ですので、リフォームで資金援助をしてもらう場合には贈与税の制度を活用することになります。
リフォームで所得税が減税となる改修は6種類
リフォームの中でも、特に減税対象が大きいのが所得税です。
その所得税減税対象のリフォームは6種類あります。
- 耐震改修のためのリフォーム
- 省エネ改修のためのリフォーム
- バリアフリー改修のためのリフォーム
- 長期優良住宅化のためのリフォーム
- 同居対応改修のためのリフォーム
- 住宅ローン減税
減税対象のリフォーム工事は規定が非常に細かいです。
工事内容自体についてはリフォームの専門業者ではないとわかりません。ですので、合計184団体が加盟している一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会が工事内容によって減税対象となるリフォームの種類をご紹介しています。
住宅リフォーム推進協議会は国とも協力しており、国土交通省のホームページにある、『住宅のリフォームに利用可能な税制特例』にも住宅リフォーム推進協議会HPリンクが掲載されているほど信用できる協議会です。
ですので、一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会に掲載されている情報のうち、直接減税と関係する、所得税の減税部分と、投資型とローン型比較に絞ってご紹介してきます。
⑴ 古い自宅をリフォームする時は耐震改修の対象
投資型 | ローン型(該当無) | |
減税期間 | 1年 | 該当無 |
最大減税額 | 25万円 | 該当無 |
リフォーム費用条件 | 無し | 該当無 |
日本は自然災害が多く、近年も大規模な地震が後を絶ちません。
それに伴い、国が定める耐震基準は年々厳しくなってきます。
特に1981年5月31日(昭和56年)以前に建築された建物は耐震基準が緩く、国も耐震工事することを推奨しています。
耐震工事を行う場合には、ローン型の減税制度はないため、工事代金を支払った金額によって減税となる金額が決まります。
⑵ 自宅をECO住宅にする場合には省エネ改修の対象
投資型 | ローン型 | |
減税期間 | 1年 | 5年 |
最大減税額 | 25万円
35万円(※) |
1年12.5万円
(5年62.5万円) |
リフォーム費用条件 | 50万円超 | 50万円超 |
※太陽光パネルを設置する場合に最大35万円の控除となります。
省エネ改修は、暖房冷房器具を使わないでも快適に過ごせる自宅にリフォームする場合の工事です。
具体的に、窓であれば二重サッシにするだけで保温性が高くなります。
また、壁なら断熱材を敷くことによって、外気を遮断するため、夏は涼しく、冬は暖かい部屋で過ごすこととができるのです。
省エネ改修は投資型とローン型がありますので、リフォーム工事の代金によって選択することになります。
⑶ 高齢者に優しいリフォームはバリアフリー改修の対象
投資型 | ローン型 | |
減税期間 | 1年 | 5年 |
最大控除額 | 20万円 | 1年12.5万円
(5年62.5万円) |
リフォーム費用条件 | 50万円超 | 50万円超 |
バリアフリーとは高齢者の人が生活しやすい環境を整えるための工事です。
具体的にはこちらの8種類が工事種類となります。
- 通路等の拡幅
- 階段の勾配の緩和
- 浴室改良
- 便所改良
- 廊下などへの手すりの取り付け
- 段差の解消
- 出入口の戸の改良
- 滑りにくい床材料への取替え
手すりや、トイレは改修規模は小さいですが、床材料の取り換えは全面的な工事となるため、ローン型の減税プランも検討することになります。
⑷ いつまでも住み続ける工事は長期優良住宅化リフォームの対象
投資型 | ローン型 | |
減税期間 | 1年 | 5年 |
最大控除額 | 25万円
50万円(※1) |
1年12.5万円
(5年62.5万円) (※2) |
最低リフォーム代金 | 50万円超 | 50万円超 |
※1耐震リフォームと長期優良住宅リフォームを併用した場合の最大金額です
※2耐震リフォームと長期優良住宅リフォームを併用した場合の最大金額です
長期優良住宅化リフォームとは、一般的な住宅よりも、より長期間に渡って住み続けられるようにするためのリフォームです。
長期間住むために必要なのは、住宅の構造と耐震機能です。
特に耐震機能のリフォームについては、耐震リフォームと組み合わせて減税を受けることも可能となります。
⑸ ご両親と同居する準備のためのリフォームは同居対応改修の対象
投資型 | ローン型 | |
減税期間 | 1年 | 5年 |
最大減税額 | 25万円(※) | 1年12.5万円(5年62.5万円) |
リフォーム費用条件 | 50万円超 | 50万円超 |
両親と同居をする場合にはどうしてもキッチンや浴槽周りを増設しなければいけない場合があります。
特に、最近は1つの家でこれらの機能が2つのそんざいする住宅も増えてきています。
- 調理室を増設する工事
- 浴室を増設する工事
- 便所を増設する工事
- 玄関を増設する工事
そんな、同居でありながら、各家庭の生活リズムを維持できるようにリフォームするのが、同居対応改修となります。
⑹ 増改築工事のリフォームは住宅ローン減税の対象
投資型(該当無) | ローン型 | |
減税期間 | 該当無 | 10年間 |
最大減税額 | 該当無 | 400万円 |
リフォーム費用条件 | 該当無 | 無 |
『ローン控除』は自宅を購入した場合の制度ですが、リフォーム版のローン控除もあります。
リフォーム減税の中での減税額は一番大きく、毎年最大40万円の税額控除が最長10年間適用することができます。
更に、先にご紹介した、耐震改修・省エネ改修・バリアフリー改修・長期優良住宅化・同居対応改修の全てでも大規模なリフォームなら住宅ローン控除の対象となる可能性があります。
大規模リフォームのイメージとしては、建物の床面積が変わるほどの増改築工事です。
ですので、工事費用も1000万円以上必要な場合もありますので、投資型は存在しません。
減税適用になるリフォームは専門業者に確認するのがベストである
減税適用になる工事はたくさんあります。
リフォーム減税を適用する場合には、リフォーム減税の対象となる工事の証明書が必要になるのですが、その証明書を発行するのはリフォーム工事をする業者となります。
所得税の減税を受ける場合には、リフォーム業者が発送する証明書を税務署の確定申告書で提出するこになります。
そこで誤解しやすい点が、税務署は減税のリフォーム工事の内容については判断できません。
税務署が判断する場合、リフォーム業者が発行する証明書の有無で判断します。
実際に行うリフォームについて、減税対象になる工事であるかは、リフォーム業者にしかわかりません。
なので、リフォーム業者を選ぶのもリフォーム減税では大事なポイントとなります。
なお、リフォーム減税に必要な証明書は、リフォーム業者が準備をするので余計な手間はありません。
(所得税と贈与税の減税には必ず確定申告書の提出が必要となります)
減税適用には期限があるので早めに検討しないと適用不可能になる場合も
リフォームの減税適用には期限が定められています。
ほとんどのリフォーム減税の期限は、2021年12月31日(平成33年12月31日)です。
しかも、減税対象は原則、年末までに工事が終わっていることが前提となります。
ですので、契約は2021年12月31日であっても、工事完了が2022年6月1日などになると減税対象外となる可能性があるのです!
もう一つ注意が必要なのが、減税期間ギリギリでの駆け込み需要です。
リフォーム業者にとっては嬉しい話なのですが、やはり一時的な仕事の増加には人が足りません。
また、仕事を受けたいために工事がおろそかにする業者に依頼しては、本末転倒です。
そうならいためにも、前もってリフォームを検討し、事前にリフォーム業者に見積もりを出してもらうのが、リスクを減らす重要なポイントです。
国がリフォームで減税する理由
減税を実施すると国の税収が減ってしまいます。
消費税も増税される現在、減税するのはちょっと不思議ですよね。
実は、リフォームは国としてもメリットがある話で、むしろ積極的にリフォームしてほしいと思っています。
国がリフォームを推奨するのは、ズバリ、災害・高齢化・空き家の3対策を重要視しているからなのです。
- 災害対策
- 高齢化対策
- 空き家対策
災害対策
日本は自然災害が多い国です。
ですので、ヨーロッパのように100年200年と同じ家に住むのは非常に難しいです。
また、30年以上前に建築した建物は基準が甘く、大地震が発生した場合には倒壊する危険性があります。
国としては万が一の災害時に被害を最小限に防ぎたいのでのです。
高齢化対策
また、日本が抱えている問題では、超高齢化社会も課題です。
なんと、2020年には女性の半数は50歳上になるとの予測もあります。
そのため、日本人の半数が住みやすい家として、バリアフリー住宅は必須となってきています。
空き家対策
リフォームは空き家対策も兼ねています。
両親と同居しようとしても、都心の家では手狭であり、逆に実家の家だと老朽化している。
そんなケースが実はあります。
となると、家族の妥協点として、市街地に新しい自宅を購入することに。
その影響で、両親が住んでいた実家は空き家となってしまいます。
実家はどうしても売りにくい思い出が詰まっています。
すると、空き家のまま放置された自宅がそのまま全国で放置されている状態がたくさんあるのです。
まとめ
リフォーム工事は多額の出費になります。
ですので、早め早めにリフォームを検討し、リフォーム業者を比較してください。
そして、一番納得する形でリフォーム減税を受けましょう!
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