旅行や出張の際、少しでも旅費を抑えようと格安航空会社を利用する方も多いのではないでしょうか。
Low Cost Carrierを略して「LCC(エルシーシー)」と呼ばれる格安航空会社ですが、航空券代は安いけど、サービスは十分なのか・安全なのか気になるところですよね。
格安航空(LCC)のメリット・デメリットについて、国内はもちろん海外発着のLCCにも毎年数回搭乗している筆者が徹底解説します!
目次
格安航空(LCC)の運賃が安い理由
LCCって、既存の航空会社(FSC)に比べてかなり安い航空券が販売されていますよね。
FSC(ANAやJALなど、フルサービスキャリア)では2万円する航空券がLCCなら半額以下の8,000円ほどで買えます。
往復で搭乗してもFSCの片道分以下だとすると、LCCを活用した方が断然お得なので、旅費を抑えたい場合はLCC一択。
ただし、もちろんLCCの運賃が安いのには理由があります。
大幅にコストを抑えている
格安航空は、運航コスト・人件費・航空券販売コストを抑えているため安い運賃が実現。
機内食や毛布などのアメニティも有料化したり、機内エンターテインメントを廃止するなど、機内のサービス内容を簡素化させています。
預け入れ荷物や座席指定も有料なのでサービスよりもより安く移動したいという方に向いています。
機内だけではなく空港設備もLCCの場合簡易化されています。
例えば東京の場合ほとんどが成田空港に就航しており、成田空港のターミナルもLCC専用の第3ターミナルの場合がほとんど。
第2ターミナルから遠く、歩くと20分近くかかるためバスを利用したり手間がかかります。(第2ターミナルから就航しているLCCもあり)
他にも、那覇空港等もLCC専用ターミナルがあるためFSCの出口まではバス移動…。
このように多くの空港でLCC専用のターミナルが設けられるようになり、空港設備の簡易化がされています。
ただ、設備を簡易化していますが安全面は厳しい国内基準をクリアしなければ就航ができません。そのためLCCも安全第一、安心して搭乗できます。
格安航空(LCC)のメリット
FSCの約半額!航空券代が安い
LCCのメリットはなにより航空券代が安いということ。
LCC各社セールを行っている場合もあり、空席状況により常に価格が変動します。
国際線も、アジア圏・オセアニアを中心に就航しており、国内旅行よりも安く海外へ行けるチケットも販売されています!
とはいえ、ハイシーズンはLCCだとしてもJALやANA便といったFSCと価格がさほど変わらないケースもアリ。
オフシーズン日程のセールをチェックするのが、LCC上手に活用するコツです。
また、どの都市にも就航しているわけではなく、参入や撤退も頻繁に行われているのもLCCの現状。
前回利用した路線、もう一度使いたい!と思ってもLCCが撤退していることはよくあるので注意。
不必要なサービスを省ける
LCCでは機内エンタメやアメニティもなし、ドリンクや機内食も有料、預け荷物も有料と基本的な運賃に何かサービスを付けたい場合全て有料で課金が必要です。
けれど逆に、機内エンタメいらない、毛布も枕もなくていい、預け荷物もないといった場合不要なサービス代を省けますよね。
特に国内線の場合は荷物が少ないことも多いですし、ドリンクもなくていいかな…その分安くしてほしい、といった考えの方の要望までも応えてくれるのです。
結局、FSCの料金にアメニティやドリンク、預け荷物代も含まれているのだとしたら、自分に必要のないサービスにお金を払っているということ。
FSCで無料のサービスがなくていいからその分チケット代を安くしてほしい、なんて方の要望に応えられる航空会社こそがLCCです。
格安航空(LCC)のデメリット
航空券代がかなりお得なLCC。もちろん料金が安いだけあってデメリットもあります。
格安航空搭乗の際い注意したいデメリットを紹介していきます!
オプションでなんでも課金される
せっかっく航空券そのものを格安で手に入れても、預け入れ手荷物の重さがオーバーしていると追加料金を支払ったり、座席指定も高額のオプション料金が発生することが多くあります。
預け入れ荷物はたとえ1gでもオーバーしたらアウトで容赦なし。追加料金に課金が必要に…
先述したようにドリンクも機内食も有料、もちろん座席指定も有料です。何かオプションを付けたい場合は全て別途料金が発生します。
そのため、あれもこれもと足していたらFSCよりも料金が高くなるケースも…
チェックイン・キャンセル料が厳しい
LCCのチェックインは非常に厳しく、少しでもチェックイン時間に遅れたら搭乗させてもらえないのが現状。荷物の重量もほんの少しのオーバーで追加料金が発生します。
LCCは基本的に有人のチェックインカウンターが無く、自動チェックインまたはオンラインチェックインを行います。
しかも、自動チェックイン機に行列ができている場合もあり時間に余裕がないと焦る羽目に…
その上コスト削減のためにLCCのスタッフは様々な業務を兼任していることがあり、チェックインカウンターの締め切り時間も早いのもあるある。
FSCに搭乗する場合よりも早く空港に到着している必要があり、その分搭乗までに空いた時間が増えるというデメリットも…
もちろんラウンジは使えないので、ラウンジに入場できるクレジットカードを持っていない場合は有料で利用することとなります。
また、もしチェックイン締め切り時刻に遅刻してもキャンセル料は購入した時点で発生(運賃の100%)する場合がほとんどなので搭乗できない上チケット代金も払い戻しされません。
シートが狭く、座席環境が過酷
FSCのシートピッチは31〜32インチあるのに対し、LCCでは29インチほど。
約74cmの座席は男性の場合膝が前の座席についてしまうことも…。
もちろん座席数を確保するためにシートピッチを狭めているので、リクライニングもほとんどできません。
また、毛布や枕も有料の場合が多いので自分で用意すると節約に。ただし、その分旅行の荷物が増えてしまうというデメリットもあります。
もし、セールなどで底値でLCCの航空券が入手できた場合、シートピッチの広い非常口席の座席指定がオススメ。
LCCの場合座席指定は有料ですが、非常口席に関しては課金する価値はあります。
国内線しかLCCに搭乗したことがない人にとって、あのLCCの座席で国際線は絶対ムリ!と思われがちですが、国際線の場合は座席に多少のゆとりがあります。
とはいえ、長時間のフライトにはかなり堪えるので覚悟が必要…
往復LCCを利用するより、どちらか片道のみLCCを利用した方が体への負担が少ないので、組み合わせて搭乗するのがオススメ。
海外のLCCはさらに厳しい
海外でもLCCは主流となっており、ユーロ圏内では一度入れば入国審査が不要なため、国内線を利用している感覚で飛行機に乗れます。
ただし、海外のLCCもチェックイン時刻やバゲッジチェックが厳しく、1分でも遅れれば搭乗させてもらえないなんてこともザラ。
筆者は何度か海外のLCCを利用したことがありますが、もちろんチェックイン・預け入れ手荷物も全て自動チェックイン機にて自力で行います。
何人か係員がいますが、海外出発から海外着のLCCの係員に日本語はまず通じません。
しかも、経験上LCCの自動チェックイン機はどの国もだいたい混んでいます。
混雑している場合は長時間チェックイン機の行列に並ぶ必要があるので、LCC搭乗時は時間に余裕を持った行動をしましょう!
行列ができる理由は、ほとんどの便を共通した自動チェックイン機を使い、機械操作に不慣れなユーザーも多いため。
やっとチェックインを終えたと思っても、今度は預け入れ荷物の長蛇の列に並ばなくてはならず、時間に余裕がないとかなり焦ります!
さらに、そのあとの保安検査場も混雑している可能性もなきにしもあらず。
とはいえチェックイン端末はどの国でもほとんどの場合英語翻訳ができますし、チケットを発券するだけ。
海外のLCCは言語が分からず焦りがちですが、パスポートをかざすだけで簡単に航空券を発券できたり、海外の言語が分からなくてもかなり楽になってきているので初めてでも大丈夫です。
LCCのチケットを格安で購入する方法
航空券比較サイトで購入
一番楽に格安航空券を購入する方法として、一番安くて効率よく買える方法が格安航空券の比較サイト。
格安航空券を提供している旅行代理店や航空会社をまとめて比較されるので便利!
行先と日程を選択して絞り込みを行い、安い順に並び替えることで一番安価な航空券を表示、購入が可能。
複数便利用の場合はもちろん複数の航空会社を組み合わせることもできるので、旅のスタイルに合わせた航空券の手配が簡単。
LCCとFSC混同で比較してくれるので、実はFSCの方が安かったという失敗も避けられます。
また、行きはLCC・帰りはFSCといった組み合わせも絞り込みで手軽に旅程をくみ立てられるのも便利。
往復LCCはさすがに辛い…なんて要望にも応えてくれるのが航空券比較サイトです。
希望の航空券プランを選択したら、そのまま外部のサイトへ移動して航空券の購入ができるのでぜひ活用してくださいね。
LCC各社の公式サイトで購入
航空券比較サイトで安価に格安航空券を入手する方法は一番楽ではありますが、さらに底値で航空券を購入するならLCC各社の公式サイトにて購入がオススメ。
各社不定期にセールを行っていることがあり、旅行代理店に提供していないより安い航空券を入手することができます!!
ちなみに、筆者は過去に成田-新千歳間を500円で搭乗した経験があります。
ただし、デメリットとしてはすでに日程が決まっている場合は底値での購入が難しい、セール開始と同時に始まる争奪戦に参加しなくてはいけないという過酷な試練が待ち構えています。
セールの底値でLCCのチケットを入手したい場合は、
- 日程を決めない
- ハイシーズンを避ける
- メルマガ等を登録してセール情報を見逃さない
- セール開始と同時に参戦できるスケジュールの確保
上記が必須条件です。
また、LCCの航空券の値段は日々変動するのでいつ底値が来るか分かりません。
メンタルのためにも購入したらその後、購入した航空券のその後の価格は見ない方が吉。
また、LCCでは一度予約すると予約変更も有料となります。
予約変更オプション料金のみで済めばいいですが、場合によっては全額キャンセル扱いとなる場合もあるので注意。
マイルで航空券に交換する方法
基本的にLCCではマイルが貯まりませんが、ANAのマイルを使ってLCCの航空券に交換することは可能。
マイルをLCC航空券に交換するたった一つの方法は、ANAグループであるLCC、バニラエアの特典航空券に交換ができます。
ただしANAとバニラエアはマイレージ提携は結んでいないため、バニラエアに搭乗してANAのマイルを貯めることはできないので注意。
とはいえ、マイルを使ってより安いLCCの航空券に交換できるのはANAのマイルを貯めるメリットの一つですね。
現在、マイルをLCCの航空券の交換する方法はANAマイル→バニラエア特典航空券のみ。
バニラエアは現在、国際線では日本(成田・福岡)から台湾へ、国内線では成田から新千歳・奄美・石垣へ就航しているので旅行目的にANAのマイルを貯めてみるのもいいかもしれません。
LCCでマイルは貯まるのか
LCCのデメリットとしてマイルが貯まらない点を上げる方も多いのではないでしょうか。
実は、LCCに搭乗してもマイルと貯める方法があるので紹介します!
マイルが貯まる唯一のLCC
LCCでは航空券販売に関してもコストダウンさせているので、旅行代理店を使うケースも稀で、航空連合にも加盟していない場合がほとんど。
そのためLCCではマイルが貯まらないと思われがちですが実はマイルの貯まるLCCもあります!
唯一マイルが貯まるのは、代表的なオーストラリアのLCC航空会社ジェットスター。
ジェットスターでは日本国内線・国際線ともにJALのマイルを貯められます。
国内線も多くの都市で就航しているジェットスター。利用頻度も高いLCCの一つではないでしょうか。
LCC搭乗ならクレジットカードでマイルを貯める
LCCでマイルが貯まるのはジェットスターのみでした。
とはいえ、搭乗したフライトのマイルは1マイルも残さず加算させたいですよね!
ジェットスター便以外のLCCに搭乗するよりも、他のLCCに乗って効率よくマイルを貯めたいのなら、航空会社のクレジットカードで航空券を購入する方法がオススメ。
ANAカード一般・JALカードにて航空券の支払いを行えば、購入金額に対してマイルが貯まります。
ANAの場合、貯まったワールドポイントをマイルに移行しなければなりませんが、JALカードならクレジットでの支払い金額に応じて直接マイルが貯まるので手軽。
そのため、LCCのチケットの購入代金をクレジットで支払えばマイルを貯められます。
LCC独自のマイル(ポイント)
LCCに搭乗してANAやJALのマイルはジェットスター以外貯められませんが、LCCが独自でポイントを貯められるプログラムもあります。
peach(ピーチ) | ピーチポイント | 航空券・受託手荷物・座席指定、オプション・手数料に交換 |
AirAssia(エアアジア) | BIGポイント | 航空券、オプションサービスに利用可能 |
春秋航空 | スプリングパスポイント (会員限定) |
航空券に利用可能 |
交換できる特典は航空券やオプション利用ですが、頻繁に同じ就航路線を利用する機会があったり、旅行や出張で飛行機によく登場するのなら、マイルとは別ですがポイントを貯めるのはオススメ。
もともと安いLCCの航空券をさらにお得で手に入れられるのはかなり美味しいですよね。
LCCメリット・デメリットまとめ
LCCでは航空運賃が安いだけあって機内サービス・機内環境はFSCよりも当然劣ります。
オプションを付帯していくと結局FSCと料金が変わらないということもありえるので、LCCなら絶対お得というわけでもありません。
LCCのメリット |
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LCCのデメリット |
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より無駄なくLCCを活用するコツとしては、マイルやポイントが貯まる航空会社を利用、クレジットカード決済、常にサイトで底値をチェックするという点。
安全性はLCCもFSCと同様に安全第一で、厳しい安全基準もクリアしているため安心して搭乗ができます。
メリットとデメリットを理解し、上手にFSCとLCCを使い分けながら活用してくださいね。
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