はサラリーマンの方は勤務先が年末調整を行ってくれることがほとんどです。
給与から差し引かれる税金は従業員に代わり勤務先が行ってくれるため、税金を支払っているという感覚が薄いことから節税意識も低いです。
ですが、そんなサラリーマンも節税したり、税金が還付されることがあります。
ここでは、サラリーマンの節税対策についてお教えしますので、ぜひ読んでみてください。
目次
節税って?
サラリーマンのみなさんは「税金が高いな…」と思ったことがないでしょうか?
そう思う方は税金を払いすぎているかもしれません。
適正な金額の税金を支払うには確定申告を行って、税金を節約しなくてはなりません。
節税の基本中の基本は課税対象を減らすことにあります。
では、どうやって課税対象を減らせばいいのかと言うと、控除を活用するのがベストです。
ただ、控除は自ら申請しないと受けられないので、控除について知識を得ておくことがおすすめ。
税務署は「あなたはこの控除を使えば節税できますよ」などと、向こうから親切に教えてはくれないからです。
また、よくある節税対策の間違いが経費をできるだけ使い、所得を低く抑える…というもの。
この方法は税金を多く払うくらいなら経費として使ってしまうというもので、結果的に手元に残る現金が少なくなってしまいます。
意味もなく必要のないものを経費として購入し節税を行っても、それは本当の意味での節税とは言い難いです。
つまり、節税の方法を間違えると逆に利益を失い、必要以上に損失を増やしてしまいかねないのです。
節税と脱税の違いって?
では次に、節税と脱税の違いってなんなのでしょうか?
脱税とは偽装や隠ぺいなどの不正な行為により納税の負担を軽減するもので、たとえば、領収書を偽造して経費を水増ししたりすると脱税に当たります。
脱税を行うと、加算税、延滞税のほか懲役など刑事罰を受ける可能性があります。
節税は税金の負担を軽くするための行為で、税法上認められているものなので脱税とは全く違っています。
むしろ、必要以上の税金を支払い生活に困ったりすることのないよう、節税を行うことは望ましい行為です。
サラリーマンの節税対策
医療費控除とセルフメディケーション税制を利用する
サラリーマンの方ができる節税対策に、医療費控除とセルフメディケーション税制を利用するというのがあります。
そもそも医療費控除とは年間の医療費が10万円を超える場合、その分を所得控除できる制度。
ただ、総所得が200万円に満たない場合は総所得の5パーセントを超える部分について、控除対象となるので注意が必要です。
さらに、保険金などで補てんした場合など、その分を差し引かねばなりません。
また、医療費控除の特例として新たにセルフメディケーション税制というものが導入されたのをご存じでしょうか?
この制度は医療機関で処方される医療用医薬品から薬局で手に入れられる医薬品に転用されたもの、いわゆるスイッチOTC医薬品を購入した場合で、12,000円を超えた場合に超えた分を控除できる仕組みで、上限は88,000円と決められています。
ただ、この制度を利用する場合、病気予防や健康維持のためその年に予防接種や健康診断を受けていなければなりません。
いっぽうで、医療費控除の対象となるものに生計を共にする家族の医療費のほか、病院に通院する交通費や市販の薬代なども含むことができます。
そのため、生計を共にする家族が多ければ多いほど、適用の可能性が高くなることになります。
医療費がかかったら、レシートや領収書などを保管しておき、年間のトータルが10万円を超えた場合は確定申告を行うようにしましょう。
ただ、注意していただきたいことがあります。
セルフメディケーション税制と医療費控除の併用は不可能ということ。
つまり、節税効果を最大限得るにはどちらの条件を満たせることができるか、どちらを利用した方が節税効果が高いかをしっかりと見極めることが大切です。
株式投資で損失が出たら利益と相殺できる
最近ではサラリーマンの方でもかなりの方が株式投資などの投資を行っておられるかと思います。
株式投資などを行うにあたり、証券会社で特定口座を持っていることがほとんどでしょうが、売却時に利益が出た時自動的に源泉徴収されることから、確定申告の必要はないと考えている方が多いでしょう。
実際に、特定口座を開設し株式投資などを行っていれば、利益が出ても確定申告の必要はないですが、損失があった場合税金が戻ってくる可能性があります。
まず、配当金を受け取っている場合だと、株式の譲渡損失を配当所得と相殺することが可能です。
相殺すれば、配当所得の金額を抑えることができるので、すでに差し引かれていた配当所得にかかる源泉所得税が戻ってきます。
また、株式投資で被った損失は他の特定口座で得た譲渡益との相殺も可能です。
さらに、その年に譲渡益が発生しなかった場合でも確定申告を行えば、翌年以降3年間は損失額を繰り越すことができるので、翌年以降に譲渡益が発生しても所得税を軽減することができます。
結論を言うと、株式投資などで譲渡損が発生したら、基本的に確定申告を行っていただき、その年に発生した譲渡益や配当を相殺、もしくは翌年以降に繰り越すことがおすすめです。
ふるさと納税を活用する
最近よくテレビなどでふるさと納税について宣伝しているのを見ますよね?
ふるさと納税とは地方自治体に寄付を行い地方を活性化するのに役立てる制度のことで、自分のふるさと以外にも応援したり自治体があれば寄付を行うことができます。
さらに、寄付を行ったお礼にその土地の特産品や名産品が送られてくるのが特徴です。
たとえば、お米や果物、お肉などさまざまな返礼品があります。
やり方としてはまず好きな地方自治外に寄付を行い、その後その自治体から返礼品が届きますので寄付したことを証明する受領書が送付されます。
確定申告の際に2,000円を超える金額が所得税や住民税の控除対象となります。
つまり、実質2,000円を支払うだけで全国各地の特産品や名産品を受け取ることができる、ありがたい仕組みです。
しかも、このふるさと納税制度は1年の間に何度も利用することができるので、ぜひどんどん活用してみてくださいね。
iDeCo
次に、サラリーマンの方におすすめの節税対策がこのiDeCo。
iDeCoを活用すれば全額が所得控除となるため、多くのサラリーマンや専業主婦の方が利用しています。
掛け金の上限金額は企業年金の有無によって違いますが、最大月額23,000円まで掛けることが可能です。
その場合だと、年間にすると276,000円所得控除できるのでかなり節税効果が見込めます。
たとえば、年収600万円の独身者で一人暮らししている場合だと、年間で10万円ほど節税することができます。
これがずっと続くとなれば、かなりの節税効果が期待できますよね?
それに、節税できるだけでなく将来のための貯金になるので、その点もありたがいです。
ただ、iDeCoは基本的に投資信託で回しているので、値下がりするリスクがあることを知っておきましょう。
特定支出控除を利用する
特定支出控除という言葉はあまり耳慣れない言葉かもしれません。
これは業務に関わる支払いが多い場合、控除可能な制度のこと。
これまでこの制度を利用するにはあまりに要件が厳しかったため、利用する人がほとんどいませんでした、
そこで、平成24年度に改正され、対象者や対象となる項目の範囲が広がり、これまでより利用しやすい制度になったのです。
では、特定支出控除の範囲とはどこまでなのでしょうか?
具体的にここであげていきたいと思います。
通勤費
勤務先への通勤費を幸甚で支払っている場合や、勤務先から支給される通勤費を超える分について特定支出にできます。
ただ、ほとんどの企業では通勤費を全額支給しているため、派遣社員やパートなど交通費が満額支給されない方しか利用できないようです。
転居費
転居費とは転勤などで転居する際、個人が支払った引っ越し費用のことですが、これについてもほとんどの場合企業が支給するはずです。
研修費
仕事上、技術を習得するための研修費用も特定支出に当たるため、個人が負担した場合も特定支出として扱われます。
資格取得費
仕事上の業務で必要となる資格取得費用も特定支出に当たります。
改正が行われる前は簿記や自動車免許などが対象だったものの、公認会計士や弁護士、医師などは対象ではありませんでした。
ですが、改正が行われた後はそれらの資格も特定支出に入れられたため、会社から補助がない場合特定支出にすることができるようになりました。
帰宅旅費
単身赴任している人が家族のいる家へ帰宅する際の旅費も特定支出に該当しますが、ほとんどの企業は年に○回までなどと帰宅旅費を負担していることが多いため、自己負担する可能性は低いかもしれません。
業務に関わる衣類購入費
業務に関わる衣類購入費も改正後追加されたもので、事務服や制服以外にサラリーマンの方が着用するスーツも特定支出にすることが可能です。
ほとんどのサラリーマンは仕事でスーツを着用されていることかと思います。
そのスーツ代が経費として計上できるのをご存じない方がほとんどでしょう。
さらに、アパレル関係のお店などで自社の洋服を着るため購入しているケースでも特定支出にすることが可能になりました。
業務に関わる図書購入費用
業務に関わる書籍や新聞、雑誌なども特定支出にすることが可能です。
業務に関わる交際費
改正後、業務に関わる交際費も追加され、取引先へのお中元やお歳暮代、接待費なども含まれますが、ほとんどの場合会社負担になっているため自己負担するケースは少ないでしょう。
生命保険控除、地震保険控除を利用する
サラリーマンの方のほとんどは生命保険に加入されているかと思います。
また、マイホームをお持ちの方なら地震保険に入っていることもあるでしょう。
これらを支払っている場合だと、所得から一定の金額を控除することが可能です。
地震保険保険料控除、生命保険料控除はいずれもサラリーマンなら年末調整の際にそれぞれの保険会社から送付される証明書を勤務先に提出すれば手続きができます。
ただ、これらは全額控除とはならないことを覚えておきましょう。
なお、生命保険料控除には一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護保険料控除があることも知っておきましょう。
ちなみに、複数の保険に入っている場合だと、それぞれの控除金額は上限いっぱいまで控除することが可能です。
地震保険控除については一定額まで控除が受けられ、所得税だと50,000円まで、住民税だと25,000円まで控除が可能です。
副業する
サラリーマンでも最近は副業することが認められつつあります。
副業で個人事業主として何かしら事業を行っている場合だと、所得税や住民税を節税することができます。
そもそも所得税とは所得に対してかかるものです。
サラリーマンとして所得をもらいながら個人事業主として事業を行っていてその年にもし赤字が出たとすれば、サラリーマンの所得と事業で発生した赤字分を相殺することが可能です。
そうなると、結果的に所得税や住民税が少なくなりますが、これを損益通算と呼びます。
ただ、この損益通算は誰でも行えるものではなく、あくまでも個人で事業を行っている場合に限られます。
たとえば、一時的に発生した所得は事業所得とはみなされないため、損益通算は不可能です。
中には事業を行っている事実がないのに事業に無関係な経費を計上し、わざと赤字にして税金をごまかそうとするケースがあります。
全ての副業が事業所得になるというわけではないので、注意していただきたいです。
住宅ローン控除を利用する
マイホームを購入した場合、ぜひ住宅ローン控除制度を利用していただきたいです。
適用されるのは新築マイホームを購入した場合だけでなく、中古の場合やリフォームなどで10年以上のローンを組んだ場合です。
一定期間所得税控除が受けられるので、ぜひ利用したい制度です。
まとめ
サラリーマンの方におすすめの節税対策をご紹介しました。
「サラリーマンだから節税なんて無関係…」とあきらめておられた方も、ここでご紹介した節税対策を行っていただければ、余計な税金を支払わずに済みます。
自分は関係ないとあきらめてしまわず、どれか1つでもあてはまるものがないかどうかチェックしてみてくださいね!
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