1円も無駄にしない!不動産売却で損しないための節税対策

不動産を売却をする時に気をつけないといけないのが税金

上手に節税しないと税金の負担が大きくなってしまいます。

この記事では、不動産売却時に活用できる節税対策について書いています。

お得に不動産売却をするためにも、ぜひこの記事を読んでみてください。

不動産売却の節税方法

不動産売却で節税するには、以下の点がポイントになります。

  • 購入金額を土地と建物に区分する
  • 相続した不動産を売却した場合は先代から所有していることにする
  • リフォームを取得費として経費算入
  • 売却ために必要だった費用を譲渡費用として経費にする
  • 特例が適用できるか確認

詳しい内容は、以下をご覧ください。

不動産売却の税率

不動産を売却で得た、利益に関しては、譲渡所得の対象となります。

譲渡所得は、給与所得や雑所得などと同じ税金の種類で、確定申告が必要となります。

譲渡所得と給与所得の違いは税率のしくみです。

給与所得などは所得金額が大きくなればなるほど税率が上がります。

所得税率は最小で5%、最高税率はなんと45%!

住民税は別なので、半分以上は税金として支払うことに。

 

しかし、不動産の売却に対する税率は固定税率

税率の違いは、売却した不動産の所有期間と、特例適用した場合のみです。

不動産売却の税金 所有期間 所得税 住民税
短期譲渡所得 売却した年の1月1日時点で5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 売却した年の1月1日時点で5年超 15% 5%

※2013年から2037年までの期間は、所得税に対して復興特別所得税2.1%を併せて支払います。

 

譲渡所得は利益に対して支払う税金です。

利益が1万円であっても、1億円であっても同じ税率で税金を納めることになります。

しかし、節税面から考えるとメリットがあります。

税率が一律であれば、売却金額の大小は関係ありません。

節税した分だけ減税効果があるのです!

不動産売却の税金は利益が発生しなければ無税

 ⑴ 原則は購入金額より売却金額が大きければ申告が必要

不動産を売却した際の譲渡所得の計算はこのようになります。

 

・譲渡所得の計算式

譲渡所得 = 売却金額ー(購入金額+売却経費)-特別控除

この計算式で、もしマイナスになる場合は計算上の赤字

赤字の場合には譲渡所得税を支払う必要がありません。

不動産売却によって黒字になった場合には、黒字の部分に対して譲渡所得税を支払うことになります。

 ⑵ 建物は減価償却費分だけ価値が下がってしまう

譲渡所得は、購入当時から値上がりしていなければ税金は発生しません。

しかし、注意しなければいけないのが、建物の老朽化

不動産の売却の計算には、建物の老朽化する分だけ価値を下げなければいけません。

これを減価償却費といいます。

 

・減価償却費の計算

減価償却費 = 建物購入金額×0.9×減価償却率(※)×経過年数

事業用以外の場合 木造 軽量鉄骨※ 鉄筋コンクリート
減価償却率 0.031 0.025 0.015
耐用年数 33年 40年 70年

※骨格材が3mm以下の場合は減価償却率が0.036になります。

 

例:10年前に2000万円で木造の建物を建築した場合

減価償却費の計算

2000万円×0.9×0.031×10年=558万円

2000万円-558万円=1442万円

実際に購入した金額は2000万円であっても、譲渡所得の計算上の取得費は1442万円です。

つまり、仮に1500万円で売却した場合、購入した当時よりも売値は下がっていますが、1442万円しか取得費が無いため、差額の58万円に対して譲渡所得税が発生するのです。

 ⑶ 購入金額を土地と建物に区分することで節税できる

新築を購入した場合には、消費税は建物部分にしかかかりません。

不動産を購入した時の売買契約書には必ず、消費税の金額が記載されています。

減価償却費の計算は土地は不要です。

なので、不動産購入代金を土地・建物に分けることで節税することができるのです!

 

例:平成30年1月1日に3,160万円で新築のマンションを購入した場合

消費税160万円

平成30年1月1日⇒消費税8%

※不動産を購入した時の消費税

160万円÷8%=2000万円(建物本体金額)3160万円-(2000万円+160万円)=1000万円(土地本体価格)

購入物件が3160万円であっても、建物部分が2160万円であれば、その部分だけ減価償却をすればいいのです。

土地は老朽化しません。なので、減価償却費の計算をする場合には、土地と建物を分離して計算しましょう。

 ⑷ 不動産売却の申告をしないと税務署が税務調査にやってくる

不動産売却の利益については、不動産売却した翌年の2月16日から3月15日までに申告をしなければなりません。

正直、利益を出して税金は払いたくありませんよね。

ですが、税務署は不動産売却の無申告については、特に見逃しません。

税務署にとっても、不動産売却の税金は高額。

利益が1000万円あれば、所得税でも15%の税率。150万円です。

1回の税務調査で効率よく税金を徴収するには、高額の無申告の人を調査するのが簡単なのです。

つまり、税務署にとっても不動産売買の調査はチャンスなのです。

 ⑸ 無申告での重加算税は40%も余計に税金を支払うことに

申告をしない場合には加算税・延滞税という罰金を支払うことになります。

特に、脱税など税金逃れをした場合には、重加算税として納める税金にプラス40%支払う可能性もあります。

延滞税は日割り計算です。

1日納税が遅れるだけで無駄に納める税金が増えます。

リスクを負ってまで無申告であるよりも、節税対策をして申告するのが一番安全な方法です。

不動産を購入した時の取得金額が一番高額な経費である

 ⑴ 購入時の領収書が無いと経費として認められない

不動産売却で一番の経費は、購入したときの金額。

注意点は、税務署は領収書などの証明書がない場合、経費としては認めません。

実際に1000万円支払っていたとしても、税務署は聞く耳を持ちません。

その場合、売却金額の95%が利益として計算することになります。

(取得不明の場合には売却金額の5%を概算取得費として計算をする)

なので、絶対に購入当時の契約書や領収書を紛失してはいけません。

 ⑵ 契約書や領収書を紛失した場合には業者に問い合わせてみること

購入当時の金額がわからない場合には、購入した不動産業者に問い合わせてましょう。

事業をしている人は7年間は帳簿を保管していますので、当時の契約書などが保管されている可能性が高いです。

個人間で不動産を売買した場合には特に保存期間は決まっていません。

しかし、多くの人は契約書を破棄しないで保管しています。

購入金額がわかるだけで、節税です。

ダメ元でも1度連絡をしてみましょう。

問い合わせをするだけで、購入代金分の節税になりますので、連絡を価値はあります。

 ⑶ 相続した不動産を売却した場合は先代から所有していることに

売却する不動産は、自分で購入していない場合があります。

相続や贈与で不動産の所有者となった場合です。

譲渡所得の場合、相続・贈与によって取得した不動産は前の所有者が購入した金額と日時を承継します。

 

例1

平成28年にマンションを購入

平成30年2月にマンションを売却

購入から売却した年の1月1日までの所有期間が5年以下なので、短期譲渡所得に該当

(所得税30%、住民税9%)

 

例2

平成3年父親がマンションを購入

平成28年父が他界し、相続でマンションを取得

平成30年2月にマンションを売却

相続の場合には前所有者からの所有期間を承継するため、平成3年から所有している扱い。

平成3年から売却した年の1月1日までの所有期間は5年超となるため、長期譲渡所得に該当

(所得税15%、住民税5%)

 

相続で不動産を取得した時は先代がいつから所有していたかが税金計算のポイントです。

購入当時の売買契約書や、不動産名義変更した時の登記事項証明書に記載されています。

 ⑷ リフォーム代金も取得費に該当する

購入後しばらくしてから行うリフォームは、不動産売却の経費にはなりません。

譲渡所得の取り扱い上、維持管理費に該当するものは全て除外されます。

しかし、購入直後に行うリフォームに関しては、取得費として経費算入できます。

中古物件を購入する時は、入居前に修繕します。

そんな時に支払った、100万円、200万円のリフォーム代金は経費となりますので、領収書は保管しておきましょう。

なお、購入直後ではないリフォームであっても、大規模なリフォームとなった場合には取得費に加算できる場合があります。

その場合には、個別的な判断が必要になりますので、税務署に確認してください。

売却ために必要だった費用は全て譲渡費用として経費になる

 ⑴ 経費として認められるのは売却するために直接必要だった費用

譲渡所得の計算上の経費となるのが、売却時に支払った費用

主な譲渡費用はコチラ。

  • 不動産仲介手数料
  • 印紙代
  • 測量費
  • 建物取り壊し費用
  • 契約・引き渡し時の交通費

ポイントは、不動産を売却する時に必要な費用であったかどうか。

東京に住んでいる人が北海道の物件を売却しようとしたら、現地に行かなければいけませんよね。

契約や引渡しのための交通費や宿泊費も経費となります。

レアケースですが、契約した後に契約破棄した場合の違約金も、経費になる場合があります。

Aさんに売却予定だったけど、Bさんが2倍の値段で買ってくれると申し出た場合にAさんに支払う違約金も譲渡費用に該当することに。

大事なのは売却するために必要だったか。より高く売るために必要だった経費かです。

 ⑵ 不動産の買い手から依頼された手続き費用は譲渡費用に該当となる

実は、引っ越し代金やゴミ処理代は譲渡必要として認められません。

税務署の見解としては、引っ越しは不動産を売却しない場合行うので、不動産売却に直接必要ないからです。

しかし、ゴミ処理代でも、契約書などで買い手が購入条件として提示した場合には経費として認めれるケースがあります。

購入条件であるごみ処理をしなかった場合には売却できない直接な原因があるからです。

水増し請求は税務調査の的になりますが、正当な費用の支払いなら経費となります。

 ⑶ どんな費用であっても税務署の判断で経費として認められることもある

譲渡経費に関しては個別に判断されるので、税務署の判断になります。

同じ名目の経費であっても、譲渡経費に該当する場合、該当しない場合があるのです。

しかし、裏を返せば、どんな経費であっても譲渡経費に該当する可能性はあります。

実際に支払った費用であれば、可能性はゼロではありません。

 ⑷ 経費の証明は領収書のコピーでもいい

確実に支払った費用でも、領収書を紛失すると税務署は経費としては認めません。

税務署は契約書や領収書など、紙として保管したものを重要視します。

万が一紛失した場合には、必ず建物取り壊しをいらした業者なのどに連絡して、領収書のコピーをもらいましょう。

ほとんどの場合、領収書がコピーであっても税務署は経費として認めてくれます。

領収書が無い場合の最終手段が覚書(おぼえがき)。

経費を支払った業者に頼んで、費用を支払ったと一筆書いてもらいましょう。

それだけでも、経費として認められるケースはありますので。

自宅を売却した場合には税金が発生しない特例措置が2種類ある

 ⑴ 自宅を売却した場合には利益3000万円までは無税

両親から相続した自宅の場合、購入金額がわからないケースがあります。

購入金額がわからないと、概算取得費として売却金額の5%としか取得費になりません。

なので、売却金額の最大95%は譲渡所得税の対象となるのです。

しかし、売却した自宅に住んでいた場合には、利益3000万円までは無税になる特例があります。

それが、3000万円特例です!

主な特例適用条件は5つ

  • 売却した人が住んでいたこと
  • 住まなくなってから3年以内に売却したこと
  • 売却した相手が第三者であること
  • 売却した同時期にローン控除など特例を適用しないこと
  • 3年以内に譲渡関係の特例を適用していないこと

レアケースでは条件が合わない場合もありますが、住んでいた物件を他人に売却する場合にはほとんど特例適用可能となります。

詳細の適用条件については、東京国税局HPにも記載されています。

 

居住用の家屋や敷地(居住用財産)を譲渡した場合の特例チェックシート

 

 ⑵ 空き家となった実家の売却も3000万円までは無税になる

自分が住んでいない物件に対しての特例はほとんど存在しません。

相続した実家を売却する場合にはそのまま譲渡所得税を支払うことに。

しかし、実家を売却する場合には2019年12月31日までは無税になる可能性があります!

通称、不動産譲渡の空き家特例です。

一人で住んでいた人が亡くなり、その自宅を相続してすぐに売却する場合には3000万円までは無税となる特例です。

主な特例適用条件は6つ

  • 売却した物件を相続した
  • 売却した物件は亡くなった人が一人で住んでいた
  • 建物は昭和56年5月31日以前に建築された
  • 不動産は第三者に売却した
  • 前所有者が亡くなった日から3年以内に売却した
  • 売却代金は1億円以下

空き家特例は条件がかなり細かいです。

東京国税局HPチェックシートでは詳細に記載されていますが、それでもわかりにくいです。

被相続人の居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例チェックシート・措法35条3項

空き家特例を適用できるケースの一つは、このような場合です。

  • 亡くなった人が一人で住んでいた
  • 亡くなった人には妻(夫)がいない
  • 売却物件は亡くなった以降誰も住んでいない
  • 亡くなってから3年以内に売却する
  • 昭和56年5月31日以前の建物は売却する時に取り壊す
  • 売却金額が1億円以下

両親が亡くなって間もなくの場合には、まずは税務署に確認してください。

 ⑶ 特例は確定申告書を提出することで特例適用となる

不動産売却直後に税務署で申告する必要はありません。

確定申告の期間は、不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日までの間です。

注意点としては、確定申告書を提出しないと、3000万円などの特例が適用できない場合があること。

特例適用は期限内申告が原則。確定申告書を提出して、初めて特例適用となります。

申告の仕方がわからない場合には、税理士に依頼しましょう。

税理士は確定申告書の代理作成の他に、節税方法も知っています。

自分で申告した場合をミスを考えるならば、税理士に依頼した方がお得になることもありますので、まずは相談してみてください。

まとめ

不動産売却時の節税をまとめると、以下の方法になります。

  • 購入金額を土地と建物に区分する
  • 相続した不動産を売却した場合は先代から所有していることにする
  • リフォームを取得費として経費算入
  • 売却ために必要だった費用を譲渡費用として経費にする
  • 特例が適用できるか確認

可能な範囲で利益を少なくし、できれば長期譲渡所得にすることが重要となります。

不動産の売却は大きな金額になるので、できるだけ節税しておきたいですね。

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